SDL 2017年度春季ロードショー<大阪>

お土産

多忙を言い訳に、更新をかなり空けてしまいました。
これからまた少しずつ書いていこうと思います。

さて、先週24日(水)に大阪で開催されたSDLジャパンの「2017年度春季ロードショー」に参加してきました。17日には東京で開催されていたようですが、ネット上では開催レポートらしきものは見当たらず、いつもの猫先生もいらっしゃらない。さらには、どう見ても自分には場違いなグランフロントのナレッジキャピタルでの開催という、ちょっとした不安と前回食べ損ねたケーキへの期待を抱えての参加でした。残念ながら、その期待は早々に打ち砕かれましたが……。

それはさておき、今回のロードショーの概要を乏しい記憶に残っている範囲で書いておこうと思います。間違っていたらすみません。
主なトピックは4つ。
1. SDL社のビジネスアップデート。
2. SDL Trados Studio製品のアップデート
3. A社による使用事例
4. お客様相談会

まず、1のビジネスアップデートです。
最近大流行の機械翻訳について、SDL社の立場を説明してくださいました。
機械翻訳が普及しても「人間にしかできない部分は残る」(減るわけではない)。
私たちを取り巻く「環境は変化」していくので柔軟に対処することが大事。
テクノロジーは「人間を中心」とし、柔軟性を持ったコンテキスト指向になっていく。
といって感じです。
また、昨年CEOが変わられたとのことで、編成や方針に大きな変化があるようです。特に視点をビジネスから顧客(ユーザー)に移しつつある点は、高く評価したいと思います。

2の製品アップデートですが、こちらはSDL Studioだけにしておきます。
新しい製品が出るわけではありませんので、今後予定されているアップデートの内容とSP1についてでした。
大きな改善点は3つ「upLIFT」の日本語対応、OCR機能、リアルタイムのExcelプレビューです。私には、目新しい機能というわけでも、必要としている機能でもありません。まあ、改善されるのは良いことです。SP1は秋くらいに提供される予定だそうです。

私が参加するのはまだ2度目なのですが、このSDLジャパンさんのロードショーで翻訳会社による使用事例の紹介はよくやっていることなのでしょうか? 印象としては、あまりなかったように思います。今回は、A社のPMさんが、エージェント側と翻訳者側で実際にあったトラブル(エラー)の例を挙げられておりました。資料は提供されていませんので具体的な内容は書きませんが、Tradosを導入して3年ほどのようです。強調しておられたのは導入による「品質」と「効率」の向上、「正しく使う」ということ。
事例として挙げられたトラブルがあまりにも初歩的なミスであったことがとても気になりました。ツールの「正しい使い方」以前の問題ではないかな、と。そこで、社内のトレーニングと翻訳者へのトレーニングについて質問してみました。いろいろと挙げていただきましたが、意地悪く言わせていただくと、「トレーニングしてないよね」という印象を受けました。ロードショー後に話した知人も同じ印象だったようです。「正しく使う」ことを強調しておられたのですから、何かあることを期待したのですが……。

お客様相談会では、技術的な質問を1点、提案をいくつかしました。
先にSDL社が視点をユーザーよりに移しつつあると書きました。お客様相談会などはその一例だと思います。ロードショーだけでなく、日本のユーザーが参加しやすい場所(SNS上の非公式グループなど)にこういう場を拡大していって欲しいと思います。ただ、このような改革は一朝一夕にできるものではありません。社員一人一人の意識がどうか、グローバル企業がローカルのユーザーに視点を移すためにはどうすべきかなど、まだまだハードルは高いように感じました(そう簡単に変われるわけないよね)。相手にしてみれば嫌な参加者だったのではないかと思います(相談担当者をSさんにすればまた印象が違ったかも)。

相談を終えて、しばらく知人と立ち話をした後、別の社員の方と雑談をして、相談時に聞きそびれていた質問をしてみました。

64ビット版のTrados Studioは出るのかどうか?
答えは、Noでした。今のバージョンはともかく、今後のバージョンでも出そうにないように感じました。営業側でプッシュしても難しいのでしょう。32ビットのままで本当にやっていけると思ってるのかしら。
まあ、社員の方とおざなりではない話ができて良かったなと思っています。

かなりざっくりとした報告になりました。静かに始まって静かに終わったイベントでした。参加者の熱気をあまり感じられなかったのは、私だけでしょうか? 不満な点はまだまだありますが、今後の方向が見えてきただけでも参加して正解でした。SDLジャパンさんの取り組みをしっかり見ていこうと思います。

近いうちに、SDL社もA社も強調していた、「品質」、「効率」、「正しい使い方」について思うことを記事にするつもりです。ツールに関わっている人間として、この辺りのことはきちんと言っておかなければなりません。ツールのセミナーで述べていたことではありますが……。

トップの画像は今回のお土産です。ノートとペン、透明の袋に入っているのは爪とぎです。CATの爪とぎ?

では、また。

これは受けたい – 翻訳フォーラムの「レッスンシリーズ」

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1月2月と立て続けに翻訳フォーラムの「レッスンシリーズ」が開催されます。

1月29日「訳出のバリエーションづくり~訳例カード・ワークショップ」
2月19日「翻訳に活かすSimplyTerms」

有益なセミナーはたくさんありますが、その中でもこの2つのセミナーは群を抜く内容になるに違いありません。

1月29日のワークショップは、次の2人のお話がとても参考になります。

翻訳がうまくなりたい方にはかなりお勧めです。

2月19日のセミナーで取り上げられる「SimplyTerms」にお世話になっている翻訳者はかなりいらっしゃるのではないかと思います。もう、定番中の定番ツールですね。私もかなりお世話になっています。作成者である井口さんから使い方を直接教わる絶好の機会です。こちらも見逃せないセミナーです。

1月29日のワークショップまで2週間となってしまいましたが、参加可能な方はぜひ。両方セットで参加費が割引になるそうです。

私は残念ながらどちらの日にも外せない予定があって参加できません。いつか大阪でも開催されることを願っています。

では、また。

【告知】翻訳祭2016に登壇します

 

 

日本翻訳連盟(JTF)主催の翻訳祭が11月29日に開催されます。今回、トラック1セッション2のパネルディスカッション「使われないツールの使い方 ― 十人十色のツール論」にパネリストの1人として登壇いたします。すでにお知らせしているように、前日には翻訳勉強会「十人十色」の前夜祭に登壇して翻訳支援ツールについての話をします。このパネルディスカッションでは、さらに4人の翻訳者がツールについて議論します。4人ともいくつもの翻訳支援ツールを10年以上使ってきた翻訳者ですので、これまでのツールの話とは異なる面白い議論になると思います。

翻訳支援ツールについてはこれまでもさまざまな議論がありました。ツールの使用を前提する案件が増え、機械翻訳が実現しつつある業界の現状を考えると、いま一度翻訳支援ツールについて議論する必要があると思われます。問題はどこにあるのかをきちんと見据えた上で、翻訳支援ツールとどう向き合うべきなのかを考えなければなりません。今回の前夜祭と翻訳祭がツールに使われる翻訳者からツールを使いこなす翻訳者になるためのスタート地点となるように、しっかりと話し合いたいと思います。

前夜祭も併せてよろしくお願いいたします。

では、また。