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最初に、前回紹介したKeyTextのGoogle検索用コードについて補足しておきます。

{Ctl C}
{Run "https://www.google.com/#q= {Clipboard %}"}

1行目は「Ctrl + c」というキー操作を発生させています(クリップボードにコピー)。
2行目はコピーした文字列をURLに付け加えて、デフォルトのブラウザで開いています。

次のコードを見てください。同じようにGoogle検索をするためのコードです。

{Ctrl C}
{Run "https://www.google.com/"}
{Ctrl V}
{Return}

最初のコードはURLに検索文字列を付加するのに対し、2つ目のコードは一旦Googleのページを開いてから、文字列をキーワードボックスにペーストしReturnキーを押しています。Google検索を行うときの一般的なキー操作をプログラムしたものですので、2つ目のコードの方が分かりやすいのではないでしょうか。個人的には、1つ目のコードが好みですが…

仕事中はこのような操作を何度も行っているわけです。これを1つのキー操作で行えるようになるだけでずいぶんと作業効率が上がります。すでに類似する機能をWordや秀丸のマクロを使用されている方は、その効果はご存知だと思います。

ここまでAutoHotKey(AHK)、KeyTextと2つのキーマクロツールについて紹介してきました。もちろんこの2つのツール以外にも以下のような選択肢があります。

【無料ツール】

HiMacroEx

【キーボード等の製品に付属するツール】

Microsoft マウス キーボード センター
Logicool ゲーム ソフトウェア

どれもキー操作を記録・プログラムするツールです。キーボード製品に付属するツールについては、機能や操作が製品に限定されてしまうため、ここでは取り扱いません。各製品を確認してください。

引き続き、KeyTextについて紹介する予定でしたが記事だけでは伝わらないものも多いので、今回はAHKとKeyText、HiMacroExを比較しながら説明します。選択・導入にあたっての参考にしてください。

ツールの比較

 

AHK

KeyText

HiMacroEx

1. 作業環境:GUI&Wizard 

X

2. 作業環境:エディター

3. 機能

4. マニュアル&ヘルプ

5. サンプルコード/実用例

6. サポート

7. 初心者向け

8. 価格

無料

有料($29.95)

無料

注:評価はあくまで個人的な感想です。

次に項目ごとに説明します。

1. 作業環境: GUI

  • AHK: このようなGUIは用意されておらず、すべて自分で入力しなければなりません。(エディターにインテリセンス機能あり)
  • KeyText: Wizardを使って簡単にプログラムを作成できます(前回紹介)。
  • HiMacroEx: 秀丸(キー操作の記録)やWord(マクロの記録)のように、キー操作を記録する機能があります。

2. 作業環境: エディター

  • AHK: 「SciTE4AutoHotkey」や「Notepad+」などの強力なエディターがあり、シンタックスハイライト、デバッグなどの支援機能があります。
  • KeyText: エディターは標準装備(メイン画面)され、シンタックスハイライトの機能があります。
  • HiMacroEx: エディターは標準装備(メイン画面)です。

3. 機能

  • AHK: 非常にシンプルな用途からGUIを備えたアプリケーションの作成まで、柔軟で強力なプログラムを作成できます。
  • KeyText: AHKほど複雑なプログラミングはできませんが、高度なマクロを作成できます。
  • HiMacroEx: 複雑なプログラムには向いていません。

4. マニュアル&ヘルプ

  • AHK: マニュアルはなく、英語のヘルプが付いています、Wikiによる日本語で情報あり。
  • KeyText: マニュアル&ヘルプは共に英語。Wikiなど、Web上での日本語の情報に乏しい。
  • HiMacroEx: 簡易なマニュアル&ヘルプあり。日本語のみ。

5. サンプルコード/実用例

  • AHK: Web上で多数のサンプル・実例が入手可能。
  • KeyText: サンプルが少ない。
  • HiMacroEx: サンプルが少ない。

6. サポート

  • AHK: コミュニティフォーラムでのサポート(英語)。同業のヘビーユーザーによるヘルプを期待。
  • KeyText: 開発元のサポート対応が良いとのこと。
  • HiMacroEx: 開発者のBBSなど。

7. 初心者向けか

  • AHK: 未経験者には難しいと思われますが、プログラム自体はシンプルなものです。ヘビーユーザーのサポートがあれば、初心者でも十分に導入できます。
  • KeyText: マニュアルとヘルプ以外の情報があまりありませんが、Wizardを使って、初心者でもすぐに高度なマクロを作成できます。
  • HiMacroEx: キー操作を「記録」する機能があるため、 作成は簡単です。

8. 価格

  • AHK: 無料。
  • KeyText: 有料ですが、30日間試用できます。
  • HiMacroEx: 無料。

次の理由で、あまり知られていないと思われるHiMacroExを比較に含め紹介しました。

  • 比較対象を増やしたかった
  • キーマクロを体験しやすい(導入しやすい)初心者向けのツールである

注意:
どのツールにも言えることですが、使用する環境によってインストールできない場合や動作が不安定になる場合があります。私の環境下(Windows7 64-bit)では3つともインストールできましたが、AHK以外では一部システム動作が不安定なることがありました。どの条件で不具合が生じたかは未確認です。

総評

個人的には、AHKを選択します。やりたいことが他のルールでは実現が難しいためです。他のツールがダメというわけではありません。また、高度なツールを使用すれば効率化が高まるものでもありません。作業の効率化は一人一人に合ったやり方があり、それぞれの環境によっても異なります。ショートカットキー一つにしても、人によって押しやすいと感じるキーの組み合わせが違います。自分に合ったやり方を見つけるためには、ツールを上手く使いこなす必要もあります。ツールを理解し、実践しながら修正していくことも必要です。それには、カスタマイズ(作成)のしやすさも重要なポイントになります。
確かにAHKは強力で高度な操作が可能ですが、初心者がカスタマイズしやすいものではありません。その点、KeyTextは直感的で作成がしやすいという点で優れたツールだと思います。使いこなすまでに至ってはいませんが、通常の翻訳作業の効率化には十分な機能を備えていると感じます。実際、活用されている翻訳者さんも少なからずいらっしゃいます。KeyTextを試してみるのも悪くありません。
HiMacroExについては、他の2つに比べて機能的にも劣っていますが、キーマクロの効果を試してみるには良いかと思います。

以上、簡単にまとめてみましたが、実際にビデオなどで動作を紹介しようかと考えています。

では、また。

 

キーマクロツールの紹介(比較)
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