読書メモ: 柳父章『日本語をどう書くか』と『翻訳とはなにか』

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続けて読書メモをアップします。

この2冊は3月に読んだ本で、すぐにブログを書く予定でした。偶然にも、帽子屋さんのブログで先に紹介されてしまいました。ちゃんとした記事に下手な感想を付け加えるのも恥ずかしいということで、ほとぼりが冷めたこの辺りでこっそりと紹介しておきます。

もっと早くに出会えていれば、(良い意味で)かなり違った翻訳者になっていたに違いないと思える本です。ただし、今はまだ、消化不良を起こしています。ええ、あまりにも内容が濃いため、一度読んだだけでは消化し切れていないのです。なんとなくわかった気になっているだけ、のような感じです。今年のうちにもう1、2回は読み返すつもりでいます。そのときになれば、もう少しまともな記事が書けるかもしれません。

たぶん。うん、きっと。この本の内容をみんなで話し合えるような、そんな勉強会があればと思うんですよね。小手先の技術ではなく、翻訳を話し合えるような…… そうしたらもう少し理解を深められるような気がします。

ともかく、この本に出会ったことが、今年前半の最大の収穫でした。これから自分がどう翻訳と向き合っていくか。今年後半の大きな課題です。

では、また。

読書メモ: 初心者向けの2冊

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なかなか計画通りにいかないのはいつものことで、ブログ更新も積読減らしもなかなか進みません。読む数より入手する数の方が多ければ減らないのは当たり前のことなので、後半は読むペースを上げようと思います。それに合わせてブログの方も読書記録的な記事も増やすつもりです。

まずは、今年前半に読んだ中から初心者向けの本を2冊。どちらも表紙と帯にひかれて買ったものです。

1. 「はじめての批評 ― 勇気を出して主張するための文章術」

第3章まで(93ページ)無料で試し読みできます。総ページ数の半分ほどという太っ腹さ。ここからPDFをダウンロードできます(2017年6月30日確認)。

ブログやSNSの流行に乗って、ここ数年、文章を書くための技術を解説した本が数多く出版されています。何冊も購入していますが、中身はどれもあまり代わり映えしない内容です(個人的な感想)。その中で、「正しい批評」という視点から文章の書き方を解説していくというこの本は、かなり目を引きました。実際、文法書をまとめたような他の文章術とは違い、興味深い箇所も多々ありました。

ただ残念なのは、文章術の内容にもかかわらず文章そのものがどうにもいただけない。(もちろん、自分の文章は棚に上げています)。初心者向けとはいえ、もう少しスッキリとした文章が書けなかったのかなと感じました。書籍の文章というよりSNSの文章に近い感じです。それ以上に残念なのが、「例文」。「あまり良い例文ではない」という断りが見られますが、断りを入れるくらいなら何故良い例文を探さないのでしょうか。時間不足等、いろいろ理由はあると思いますが、かなりモヤモヤします。発想、企画は良かったのになと残念な感じです。面白いんだけどなぁ、と。

2.「マジ文章書けないんだけど ~朝日新聞ベテラン校閲記者が教える一生モノの文章術~

もう1冊。こちらはタイトルだけで中身を見ずに購入したものです。個人的に、会話形式で解説する本はとっても苦手です。個人的な好みはさておき、この形式が苦にならない方で他の文章術を読んでいない初心者にはわかりやすくて良いと思います。翻訳など、文章を扱う職業の方にはあまりにも当たり前の内容ですが、文章を書く練習をしてこなかった方には最低限必要な内容です。

マジ文章書けないわけではないんだけど、うまく書けるわけではないんだな。それで、文章術をたくさん読んでも文章がうまくなるわけではありません。良い文章を読んで、しっかり書く。ただ精進あるのみという、いつもの結論でした。

今年の後半はブログ書きもがんばります。

では、また。

SDL 2017年度春季ロードショー<大阪>

お土産

多忙を言い訳に、更新をかなり空けてしまいました。
これからまた少しずつ書いていこうと思います。

さて、先週24日(水)に大阪で開催されたSDLジャパンの「2017年度春季ロードショー」に参加してきました。17日には東京で開催されていたようですが、ネット上では開催レポートらしきものは見当たらず、いつもの猫先生もいらっしゃらない。さらには、どう見ても自分には場違いなグランフロントのナレッジキャピタルでの開催という、ちょっとした不安と前回食べ損ねたケーキへの期待を抱えての参加でした。残念ながら、その期待は早々に打ち砕かれましたが……。

それはさておき、今回のロードショーの概要を乏しい記憶に残っている範囲で書いておこうと思います。間違っていたらすみません。
主なトピックは4つ。
1. SDL社のビジネスアップデート。
2. SDL Trados Studio製品のアップデート
3. A社による使用事例
4. お客様相談会

まず、1のビジネスアップデートです。
最近大流行の機械翻訳について、SDL社の立場を説明してくださいました。
機械翻訳が普及しても「人間にしかできない部分は残る」(減るわけではない)。
私たちを取り巻く「環境は変化」していくので柔軟に対処することが大事。
テクノロジーは「人間を中心」とし、柔軟性を持ったコンテキスト指向になっていく。
といって感じです。
また、昨年CEOが変わられたとのことで、編成や方針に大きな変化があるようです。特に視点をビジネスから顧客(ユーザー)に移しつつある点は、高く評価したいと思います。

2の製品アップデートですが、こちらはSDL Studioだけにしておきます。
新しい製品が出るわけではありませんので、今後予定されているアップデートの内容とSP1についてでした。
大きな改善点は3つ「upLIFT」の日本語対応、OCR機能、リアルタイムのExcelプレビューです。私には、目新しい機能というわけでも、必要としている機能でもありません。まあ、改善されるのは良いことです。SP1は秋くらいに提供される予定だそうです。

私が参加するのはまだ2度目なのですが、このSDLジャパンさんのロードショーで翻訳会社による使用事例の紹介はよくやっていることなのでしょうか? 印象としては、あまりなかったように思います。今回は、A社のPMさんが、エージェント側と翻訳者側で実際にあったトラブル(エラー)の例を挙げられておりました。資料は提供されていませんので具体的な内容は書きませんが、Tradosを導入して3年ほどのようです。強調しておられたのは導入による「品質」と「効率」の向上、「正しく使う」ということ。
事例として挙げられたトラブルがあまりにも初歩的なミスであったことがとても気になりました。ツールの「正しい使い方」以前の問題ではないかな、と。そこで、社内のトレーニングと翻訳者へのトレーニングについて質問してみました。いろいろと挙げていただきましたが、意地悪く言わせていただくと、「トレーニングしてないよね」という印象を受けました。ロードショー後に話した知人も同じ印象だったようです。「正しく使う」ことを強調しておられたのですから、何かあることを期待したのですが……。

お客様相談会では、技術的な質問を1点、提案をいくつかしました。
先にSDL社が視点をユーザーよりに移しつつあると書きました。お客様相談会などはその一例だと思います。ロードショーだけでなく、日本のユーザーが参加しやすい場所(SNS上の非公式グループなど)にこういう場を拡大していって欲しいと思います。ただ、このような改革は一朝一夕にできるものではありません。社員一人一人の意識がどうか、グローバル企業がローカルのユーザーに視点を移すためにはどうすべきかなど、まだまだハードルは高いように感じました(そう簡単に変われるわけないよね)。相手にしてみれば嫌な参加者だったのではないかと思います(相談担当者をSさんにすればまた印象が違ったかも)。

相談を終えて、しばらく知人と立ち話をした後、別の社員の方と雑談をして、相談時に聞きそびれていた質問をしてみました。

64ビット版のTrados Studioは出るのかどうか?
答えは、Noでした。今のバージョンはともかく、今後のバージョンでも出そうにないように感じました。営業側でプッシュしても難しいのでしょう。32ビットのままで本当にやっていけると思ってるのかしら。
まあ、社員の方とおざなりではない話ができて良かったなと思っています。

かなりざっくりとした報告になりました。静かに始まって静かに終わったイベントでした。参加者の熱気をあまり感じられなかったのは、私だけでしょうか? 不満な点はまだまだありますが、今後の方向が見えてきただけでも参加して正解でした。SDLジャパンさんの取り組みをしっかり見ていこうと思います。

近いうちに、SDL社もA社も強調していた、「品質」、「効率」、「正しい使い方」について思うことを記事にするつもりです。ツールに関わっている人間として、この辺りのことはきちんと言っておかなければなりません。ツールのセミナーで述べていたことではありますが……。

トップの画像は今回のお土産です。ノートとペン、透明の袋に入っているのは爪とぎです。CATの爪とぎ?

では、また。