Trados Studio 2017を使ってみたところ

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SDL秋季ロードショー2017から約3か月、Trados Studio 2017をインストールしてから2か月ほど経ちました。これまで使用した感想などを報告しておきます。

最初に言っておきますが、使用するPCの性能や状態、取り扱うファイルや翻訳メモリによってかなり使用感が異なります。これから話すことは、あくまで私の環境(Core i7、16GB RAM、SSD、Windows 10 pro)、扱ったプロジェクトに限っての話です。このブログでディスる気はまったくありません。

良かった点

1. 操作は前のバーションから大きく変わっていない。UI(表記など)に少し変更がありますが、2015とほぼ変わらずに操作できます。

2. 用語ベース ビューでの用語の操作が楽になった。

3. 前のバージョンとの互換性がある。2015⇔2017で作業しても問題なし。

微妙な新機能

今回の売りの一つである「フラグメント一致」ですが、これまでのところほとんど役に立っていません。たまに表示される結果も使い物にならないことが多く、処理が重くなっただけという感じです。非常に良いと言う方もいらっしゃるので、私が扱ったプロジェクトがこのような機能にはあまり適していなかったのかもしれません。まともに機能し、処理が重くならなかったとしても、私には不要な機能のようです。

AutoSuggestが、日本語にも対応しました。残念ですが、私が英日で使うことはないと思います。日英ならまだ使えます。人によっては入力が楽になるので良いと思いますが、私には思考や入力の邪魔になるだけの機能です。

今回のバージョンは翻訳メモリ周りの改善、改良が売りだったと思うのですが、ヒット効率を良くするための処理をしているためか、前のバージョンに比べて処理が重く感じられます。

悪かった点は、書く必要はないかと…

今のところ、2017で作業を始めてストレス(処理の重さ)に耐えられず、結局2015で作業をするという繰り返しです。しばらくは2015をメインにして、サービスパックがリリースされるのを待ちます。

蛇足

2017をメインにしない理由は、処理の重さだけではなく、次のような状態になっていることも理由の一つです。

訳語検索ペインのツールバーは、このように表示されるのが正常です。

PIC20161213

私は訳語検索ペインをエディターに固定せず、フローティングにして別画面に表示しています。ある日、何をどうしたことかツールバー部分がフローティング状態になってしまいました。

PIC20161211

これを元に戻す方法を探しましたが見つからず、「ウィンドウのレイアウトを元に戻す」や再インストールを試しても、まったく直りません。Windowsのアップデートの後で発生したので、おそらくアップデートが影響しているものと思われますが… まあ、この状態なら気持ち悪いだけで作業に影響はないと、使い続けていていたところ、検索語の入力ボックスが!

PIC20161212

表示されたりされなかったりと。

こんな状態なので、なんとかサービスパックで直ることを期待しております。

それとも、そろそろ足を洗う時期なのでしょうか。

いろいろ思うところはありますが…

では、また。

【告知】翻訳勉強会「十人十色」で翻訳支援ツール超入門

翻訳支援ツール超入門 (640x480)

以前お知らせしたように、11月28日(月)に翻訳勉強会「十人十色」で登壇いたします。翻訳祭前夜祭は2013年以来の2度目の登壇です。

内容は今年大阪と福岡で行った「翻訳支援ツール超入門」をベースにした同じ内容です。使用未使用にかかわらず、知っておいて欲しい翻訳支援ツールの基本、代替ツール、問題点についてお話しします。セミナーにありがちなツールの使い方ではありません。翻訳支援ツールとは何か翻訳支援ツールとどう向き合うべきか翻訳者としてのあり方について考えることがこのセミナーの趣旨です

次のような内容を予定しています。

  1. 翻訳支援ツールの概要
  2. 翻訳支援ツールのメリットとデメリット
  3. 翻訳支援ツールの現状と未来
  4. 翻訳支援ツールとの向き合い方

翻訳支援ツールの現状と将来について、これまで行われてきた肯定か否定かを単純に考えるのではなく、一度原点に戻って正しく考えることが必要ではないでしょうか。初学者から中堅の方まで多くの方に有益なセミナーです。さらにこのセミナーは、翌日開催される翻訳祭セッション2「使われないツールの使い方―十人十色のツール論」のたたき台になります。

申し込みはすでに始まっていますので、興味のある方は是非。

では、また。

SDL秋季ロードショー Trados Studio 2017

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先日大阪で開催されたSDL秋季ロードショーに行ってきました。翻訳支援ツールの説明会のような場に行くのは実は今回が初めてです。11月の十人十色と翻訳祭で話すネタを仕入れようかと参加してきました。

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会場のスカイビルに行くのも4年ぶりくらいになります。広場ではクリスマスツリーの設置が始まっていました。

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参加者は30人ちょっとくらいで、個人翻訳者さんは少なかった感じです。珈琲に紅茶、ケーキが用意されていました。珈琲だけをいただきましたが、ケーキももらえば良かったと少し後悔しています。

さて、本題のTrados Studio 2017についてです。

内容的にはすでにリリースされているものと変わりありません。強調されていたのは翻訳メモリーの解析・参照を強化した点です。あいまい一致の処理が自動化され、効率が良くなっています。構文解析も強化されているとのことですので、検索については期待しておきたいと思います。

今回の目玉は、AutoSuggestのバージョンアップです。ようやくCJK(中国語、日本語、韓国語)に対応しました。同時にAutoSuggest辞書関連の機能も改良されているようです。AutoSuggest機能は、作業の邪魔になるケースも多く、好みが分かれるかも知れません。せっかくのCJK対応ですが、私は英訳以外で使用する予定はありません。IMEで十分対応できていますから。

特に気に入った機能は、表示フィルタの改善です。これまで、フィルタを適用できるのは原文と訳文のどちらか一方だけでしたが、今回のバージョンでは原文と訳文の両方に設定できます。また、複数の条件を設定でき、作成した条件は保存が可能だそうです。表示フィルタはよく使用するので、これは嬉しい改善です。

話の内容は機械翻訳にかかわるもの、発注側に重点をおいたものが多かったのが少し残念でした。

まだベータ版とのことで、ほとんど実機動作を見ることはできませんでした。実際に実機で確認してみないと、どの程度強化・改善されているのか判断できません。ただ、話だけを聞いていると、バックグラウンドで多くの処理が行われているようで、快適に使うには高性能のPCが必要になるかも知れない感じです。

旧バージョンとの互換性については、直接聞きましたが、問題はないようです。

全体的な印象として、まあ悪くはないかなと。なんだかんだと、やはりTradosです。良い意味でも悪い意味でも業界の標準でした。

ただし、セミナー中に取ったメモを見るとかなり辛辣なことばかり書いてます、はい… これは期待の表れってことにしておきます。このあたりは内容をまとめて十人十色の前夜祭でお話できるかと思います。

お土産は、3色+1のボールペンでした。

Trados Studio 2017はもうすぐリリースされます。早めにインストールして、また報告します。

では、また。