翻訳者の、翻訳者による、翻訳者のためのSDL Trados Studio 2017セミナー

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この夏(8/27、9/3)、ILC国際語学センター大阪校で「翻訳者の、翻訳者による、翻訳者のためのSDL Trados Studio 2017セミナー」を2回にわたってやります。昨年の「翻訳支援ツール超入門」をベースに、Trados Studioに特化した実践的な内容になる予定です。話をするだけでなく、実践的なテクニックを織り交ぜながら、実際に作業してもらいます。Trados Studioが使えるようになる程度じゃ意味がありませんので、大人の事情も多少考慮しつつ、かなり面白い内容になると思います。 続きを読む

SDL 2017年度春季ロードショー<大阪>

お土産

多忙を言い訳に、更新をかなり空けてしまいました。
これからまた少しずつ書いていこうと思います。

さて、先週24日(水)に大阪で開催されたSDLジャパンの「2017年度春季ロードショー」に参加してきました。17日には東京で開催されていたようですが、ネット上では開催レポートらしきものは見当たらず、いつもの猫先生もいらっしゃらない。さらには、どう見ても自分には場違いなグランフロントのナレッジキャピタルでの開催という、ちょっとした不安と前回食べ損ねたケーキへの期待を抱えての参加でした。残念ながら、その期待は早々に打ち砕かれましたが……。

それはさておき、今回のロードショーの概要を乏しい記憶に残っている範囲で書いておこうと思います。間違っていたらすみません。
主なトピックは4つ。
1. SDL社のビジネスアップデート。
2. SDL Trados Studio製品のアップデート
3. A社による使用事例
4. お客様相談会

まず、1のビジネスアップデートです。
最近大流行の機械翻訳について、SDL社の立場を説明してくださいました。
機械翻訳が普及しても「人間にしかできない部分は残る」(減るわけではない)。
私たちを取り巻く「環境は変化」していくので柔軟に対処することが大事。
テクノロジーは「人間を中心」とし、柔軟性を持ったコンテキスト指向になっていく。
といって感じです。
また、昨年CEOが変わられたとのことで、編成や方針に大きな変化があるようです。特に視点をビジネスから顧客(ユーザー)に移しつつある点は、高く評価したいと思います。

2の製品アップデートですが、こちらはSDL Studioだけにしておきます。
新しい製品が出るわけではありませんので、今後予定されているアップデートの内容とSP1についてでした。
大きな改善点は3つ「upLIFT」の日本語対応、OCR機能、リアルタイムのExcelプレビューです。私には、目新しい機能というわけでも、必要としている機能でもありません。まあ、改善されるのは良いことです。SP1は秋くらいに提供される予定だそうです。

私が参加するのはまだ2度目なのですが、このSDLジャパンさんのロードショーで翻訳会社による使用事例の紹介はよくやっていることなのでしょうか? 印象としては、あまりなかったように思います。今回は、A社のPMさんが、エージェント側と翻訳者側で実際にあったトラブル(エラー)の例を挙げられておりました。資料は提供されていませんので具体的な内容は書きませんが、Tradosを導入して3年ほどのようです。強調しておられたのは導入による「品質」と「効率」の向上、「正しく使う」ということ。
事例として挙げられたトラブルがあまりにも初歩的なミスであったことがとても気になりました。ツールの「正しい使い方」以前の問題ではないかな、と。そこで、社内のトレーニングと翻訳者へのトレーニングについて質問してみました。いろいろと挙げていただきましたが、意地悪く言わせていただくと、「トレーニングしてないよね」という印象を受けました。ロードショー後に話した知人も同じ印象だったようです。「正しく使う」ことを強調しておられたのですから、何かあることを期待したのですが……。

お客様相談会では、技術的な質問を1点、提案をいくつかしました。
先にSDL社が視点をユーザーよりに移しつつあると書きました。お客様相談会などはその一例だと思います。ロードショーだけでなく、日本のユーザーが参加しやすい場所(SNS上の非公式グループなど)にこういう場を拡大していって欲しいと思います。ただ、このような改革は一朝一夕にできるものではありません。社員一人一人の意識がどうか、グローバル企業がローカルのユーザーに視点を移すためにはどうすべきかなど、まだまだハードルは高いように感じました(そう簡単に変われるわけないよね)。相手にしてみれば嫌な参加者だったのではないかと思います(相談担当者をSさんにすればまた印象が違ったかも)。

相談を終えて、しばらく知人と立ち話をした後、別の社員の方と雑談をして、相談時に聞きそびれていた質問をしてみました。

64ビット版のTrados Studioは出るのかどうか?
答えは、Noでした。今のバージョンはともかく、今後のバージョンでも出そうにないように感じました。営業側でプッシュしても難しいのでしょう。32ビットのままで本当にやっていけると思ってるのかしら。
まあ、社員の方とおざなりではない話ができて良かったなと思っています。

かなりざっくりとした報告になりました。静かに始まって静かに終わったイベントでした。参加者の熱気をあまり感じられなかったのは、私だけでしょうか? 不満な点はまだまだありますが、今後の方向が見えてきただけでも参加して正解でした。SDLジャパンさんの取り組みをしっかり見ていこうと思います。

近いうちに、SDL社もA社も強調していた、「品質」、「効率」、「正しい使い方」について思うことを記事にするつもりです。ツールに関わっている人間として、この辺りのことはきちんと言っておかなければなりません。ツールのセミナーで述べていたことではありますが……。

トップの画像は今回のお土産です。ノートとペン、透明の袋に入っているのは爪とぎです。CATの爪とぎ?

では、また。

Trados Studio 2017を使ってみたところ

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SDL秋季ロードショー2017から約3か月、Trados Studio 2017をインストールしてから2か月ほど経ちました。これまで使用した感想などを報告しておきます。

最初に言っておきますが、使用するPCの性能や状態、取り扱うファイルや翻訳メモリによってかなり使用感が異なります。これから話すことは、あくまで私の環境(Core i7、16GB RAM、SSD、Windows 10 pro)、扱ったプロジェクトに限っての話です。このブログでディスる気はまったくありません。

良かった点

1. 操作は前のバーションから大きく変わっていない。UI(表記など)に少し変更がありますが、2015とほぼ変わらずに操作できます。

2. 用語ベース ビューでの用語の操作が楽になった。

3. 前のバージョンとの互換性がある。2015⇔2017で作業しても問題なし。

微妙な新機能

今回の売りの一つである「フラグメント一致」ですが、これまでのところほとんど役に立っていません。たまに表示される結果も使い物にならないことが多く、処理が重くなっただけという感じです。非常に良いと言う方もいらっしゃるので、私が扱ったプロジェクトがこのような機能にはあまり適していなかったのかもしれません。まともに機能し、処理が重くならなかったとしても、私には不要な機能のようです。

AutoSuggestが、日本語にも対応しました。残念ですが、私が英日で使うことはないと思います。日英ならまだ使えます。人によっては入力が楽になるので良いと思いますが、私には思考や入力の邪魔になるだけの機能です。

今回のバージョンは翻訳メモリ周りの改善、改良が売りだったと思うのですが、ヒット効率を良くするための処理をしているためか、前のバージョンに比べて処理が重く感じられます。

悪かった点は、書く必要はないかと…

今のところ、2017で作業を始めてストレス(処理の重さ)に耐えられず、結局2015で作業をするという繰り返しです。しばらくは2015をメインにして、サービスパックがリリースされるのを待ちます。

蛇足

2017をメインにしない理由は、処理の重さだけではなく、次のような状態になっていることも理由の一つです。

訳語検索ペインのツールバーは、このように表示されるのが正常です。

PIC20161213

私は訳語検索ペインをエディターに固定せず、フローティングにして別画面に表示しています。ある日、何をどうしたことかツールバー部分がフローティング状態になってしまいました。

PIC20161211

これを元に戻す方法を探しましたが見つからず、「ウィンドウのレイアウトを元に戻す」や再インストールを試しても、まったく直りません。Windowsのアップデートの後で発生したので、おそらくアップデートが影響しているものと思われますが… まあ、この状態なら気持ち悪いだけで作業に影響はないと、使い続けていていたところ、検索語の入力ボックスが!

PIC20161212

表示されたりされなかったりと。

こんな状態なので、なんとかサービスパックで直ることを期待しております。

それとも、そろそろ足を洗う時期なのでしょうか。

いろいろ思うところはありますが…

では、また。