ビジネスプランの作成


先日行った勉強会「十人十色」と「SKIT」の合同セミナーにおいて「ビジネスプラン」について言及しました。このビジネスプランについて補足するとともに作成の仕方を説明します。

ビジネスプランの目的

一般的にビジネスプラン(または事業計画書)は起業時に作成され、銀行などから資金を調達する目的で作成されます。その内容を一言で説明すると、事業(創業)を実現するための具体的なアイディアと行動をまとめた計画書であり、事業の内容や分析、成長予測、競合相手や市場の分析などで構成されています。資金調達だけでなく、事業の推進、リスクの軽減などにも役立つツールです。

ほとんどの場合資金調達を必要とする翻訳者はいないと思いますが、このビジネスプランを多少アレンジすることによって、個人事業主である翻訳者にも有効なツールとなるのではないかと考えられます。セミナーで説明したポジショニングや差別化、マネジメントなどを考察した結果としてビジネスプランを作成するのもよいと思いますし、仕事のパフォーマンスやファイナンシャルの分析ツールとして活用することもできます。

以下に作成について説明しますが、公的なものではありませんので形に囚われず自由に作成してみてください。

作成方法

一般的な事業計画書の書き方は、中小企業庁が発行している「夢を実現する創業」という冊子(無料)の「Ⅱ.事業計画書を作成しよう!」で分かりやすく説明されています。

ここでは、私が実際に作成した際に使用した項目について説明します。システム開発向けに作成したものでしたので、翻訳業向けに多少変更しました。決められたフォーマットがあるわけではなく私的なものですので、上記の例に合わせる必要はありません

1. 概要

3~5行程度のパラグラフで仕事の概要を説明します。
誰かに仕事について尋ねられたとき、自己紹介をするときなど、端的に説明し興味を持ってもらえるような内容にまとめてください。

2. ミッションステートメント

仕事を通して何を達成したいのかを説明します。翻訳という仕事を選んだ理由は? 仕事の先にある目標は? 収入だとしたら、その収入は何のために? など。具体的であれば「世界平和のため」でもOK。私的な文書であり、他人に見せるわけではありませんので、自由に思いつくまま正直に書きましょう。大げさでもまったく構いません。

3. 目標

収入や仕事量など、「短期」(1年程度)、「中期」(3~5年程度)、「長期」の目標を、受注量や収入など具体的な数値を挙げて、できるだけ検証可能な内容にします。

4. 自己紹介

履歴書やCVに使える内容、またはそのもの。

5. 事業内容

どのような翻訳を行っているのかを具体的に説明します。

6. 競合分析

競合する他の翻訳者(推測)と比較し、自分の強みと弱みを客観的に分析します。単価や仕事量など、やはり具体的に比較することも大切です。

7. 市場分析

自分が属しているセグメント(分野)の現状を分析し今後の動向を予測します。
例:IT分野は単価が下がっているが、そろそろ底を打つ。ただし、上がりそうにはない。
また、他の分野も分析し、比較することも大切だと思います。

8. 財務分析(ファイナンシャル分析)

(すでに仕事を始められている方がほとんどと思われますので、開業資金については省略します。)
現在の預貯金、収入などを確認し、今後(5年先)を予想します。標準的、悲観的、楽観的の3種類の予測(リスク分析)により、取引先の倒産、病気や事故など不慮の状況にも対処できるようにしておくことが肝心です。また、取引先によって支払いサイトが異なる場合が多いと思われますので、キャッシュフローを常に把握しておくことも大切です。

9. リスク分析

考え得るリスクをすべて列挙し、その対策を検討します。

 

以上、ビジネスプランについてザッと説明しました。実際に正式なものを作成されている方からみると子供だましのようなものです。簡略版とはいえ、このようなプランを立て、年ごとに評価、確認、更新することは非常に有益なことではないかと思います。

自分の現状を見つめ、今後の対策・計画を立てる。
年末年始にはちょうど良いかもしれませんね。

と、言っておきながら、私自身がこれらを毎年文書化できているわけではありません。横着なため、検討はしても文書化せずにサボっております(反省)。あまり、堅苦しく考えず、指針的なものとして気楽にお考えください。

(これをネタにしたセミナーも面白いかもね)

では、また。

 

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